ダブルワークと年末調整 その時給与担当者は?

ダブルワークと年末調整 その時給与担当者は? 年末調整

年末調整とダブルワーク(副業)。ダブルワーク(副業)をしている従業員の年末調整は、給与担当者としてどのように扱えばいいのでしょうか?

最近、働き方改革の一環として、ダブルワーク(副業)を認める会社が増えてきているようです。

ソフトバンク、リクルート、ヤフー、NTTデータなど大手企業が先陣を切っています。

ダブルワーク(副業)といっても、派遣社員、アルバイト、パート、不動産で賃貸収入、フリーマーケット、オークション、アフィリエイト、ユーチューブ、はたまた事業として成り立っているものなど様々な方法がありますが、サラリーマンにダブルワーク(副業)が認められるとなると、気になるのが年末調整時の扱いの問題です。

今回は会社がダブルワーク(副業)を認めたときの年末調整のやり方について考えてみたいと思います。

ダブルワーク(副業)を従業員がしているときの年末調整を給与担当者はどう扱うべきか?

収入の多い方の勤務先で年末調整

ダブルワーク(副業)にも種類がある

それぞれ確定申告することも

ダブルワーク(副業)が給与所得の場合、どっちで年末調整?会社?派遣・アルバイト・パート先?それとも両方?

ダブルワーク(副業)が給与所得の場合、どっちで年末調整?会社?派遣・アルバイト・パート先?それとも両方?

年末調整は1社でしかできません。一般的には収入の多い方の勤務先で年末調整をします。

そうなると派遣・アルバイト・パート先などのダブルワーク(副業)側をどうするかという問題になりますが、派遣・アルバイト・パート先の方は確定申告をすることになります。

ダブルワーク(副業)にも種類がある

ダブルワーク(副業)といっても様々な形態があります。その形態によって所得も分類されていて、給与所得、不動産所得、雑所得、事業所得などです。

たとえば、アルバイトで従業員として働いているならそれは給与所得です。不動産で賃貸収入を得たのであるなら不動産所得、フリーマーケット、オークション、アフィリエイト、ユーチューブなどの収入は、雑所得です。

また、継続的に収入が見込める。職業として認知されているなどの一定の条件を超えていれば、それは事業所得となります。

ダブルワーク(副業)が給与所得以外の場合

ダブルワーク(副業)が不動産所得、雑所得、事業所得の場合は、もう年末調整は関係ありません。それぞれ確定申告することになります。

ついでに、「ダブルワーク(副業)はバレるのか?」

バレる

バレない方法もある

バレる場合もあります

バレる

これについても給与担当者ではなく社員側の問題ですが、もしダブルワーク(副業)を認めていない会社で、ダブルワーク(副業)がバレるのはどういう場合かを知っておいた方がいいと思います。

年末調整をして、給与支払報告書が各市区町村に送られると、その給与支払報告書を元に各市区町村は住民税を計算します。

給与支払報告書についてはこちらをご覧ください。

年末調整! 源泉徴収票とは? 給与支払報告書とは?
年末調整 源泉徴収票 給与支払報告書 前回は所得税の計算方法についてみてみました。 今回は、年末調整に不可欠の源泉徴収票、給与支払報告書についてみてみたいと思います。 源泉徴収票、給与支払報告書は年末調整のゴール まず年末調整で...

ところが、ダブルワーク(副業)をしていて、確定申告をすると、その情報も各市区町村に送られます。

つまり、年末調整確定申告のそれぞれの所得の合算額で住民税が決まるのです。その計算された住民税は、会社が特別徴収という形で給与から天引きしますので、各市区町村は会社にその金額を知らせてきます。

そこでバレるのです。

バレない方法もある

これについても給与担当者ではなく社員側の問題ですが、バレない方法もあります。

先述の、会社が天引きする”特別徴収”に対して、個人で納付する”普通徴収”という方法もあります。

これは確定申告の際に選択することができます。

バレる場合もあります

ダブルワーク(副業)が給与収入の場合

ふるさと納税や住宅ローン減税などの控除がある場合

赤字申告した場合

市区町村の担当者の見落とし

など、詳細は割愛しますが、バレる場合があります。

一応年末調整業務について

年末調整のスケジュール

10月にやること

年末調整の該当者の確認

年末調整書類の準備

年末調整書類の配布

年末調整書類の回収

年末調整書類の確認

年末調整 10月にやること
給与担当者にとって1年の一大イベント年末調整。よりスムーズに業務を遂行するにはスケジューリングがキモになります。 そして早めの対応。後ろを見るより前をみるべきです。つまりできることはできるようになったときに始める。これが大事だと思います。...

11月にやること

10月のつづき

”年末調整のしかた”入手、年末調整の説明会参加

年末調整をする

年末調整 11月にやること
給与担当者にとって1年の一大イベント年末調整。よりスムーズに業務を遂行するにはスケジューリングがキモになります。 そして早めの対応。後ろを見るより前をみるべきです。つまりできることはできるようになったときに始める。これが大事だと思います。...

12月にやること

年末調整をする

源泉徴収票の作成、配布

年末調整 12月にやること
給与担当者にとって1年の一大イベント年末調整。よりスムーズに業務を遂行するにはスケジューリングがキモになります。 10月、11月は前倒しでできることはやっておく。という前提で進めてきましたが、12月は12月中に締め切りの仕事になります。 ...

1月にやること

源泉徴収票の社員への配布

源泉徴収票と支払調書および法定調書合計票を税務署に提出

給与支払報告書を市区町村に提出

源泉徴収簿の作成

年末調整 1月にやること
給与担当者にとって1年の一大イベント年末調整。よりスムーズに業務を遂行するにはスケジューリングがキモになります。 10月、11月は前倒しでできることはやっておく。という前提で進めてきましたが、12月、1月はそれぞれその月中に締め切りのある...

年末調整でやること

提出書類の配布、回収

今年の収入、控除額を算出し、それを元に所得税額を計算する

源泉徴収票、給与支払報告書を作成する

源泉徴収票を税務署、従業員に、給与支払報告書を市区町村に提出、配布、送付

提出書類の配布、回収

今年の給与所得者の扶養控除等(異動)申告書

来年の給与所得者の扶養控除等(異動)申告書

給与所得者の保険料控除申告書

給与所得者の配偶者控除等申告書

住宅ローン控除申告書

扶養控除等申告書

扶養控除申告書は、平成29年分までは”給与所得者の保険料控除申告書 兼 給与所得者の配偶者特別控除申告書”という名前でした。

平成29年の税制改正で、配偶者控除及び配偶者特別控除の控除額の改正があったことから、平成30年からは”給与所得者の扶養控除等申告書”となりました。

扶養控除申告書は、配偶者のいる人、子供のいる人、親の面倒をみている人などが受けられる、扶養している家族の控除に関する申告を行う書類になります。

扶養控除申告書について詳しくはこちらの記事をご覧ください。

扶養控除等申告書 年末調整に必須の書類
年末調整について考えるときに扶養控除申告書はかかせないものです。 それは他の、例えば住宅ローン控除申告書などは対象の人だけが提出すればいい書類ですが、扶養控除申告書は必ず提出する書類です。 今回は扶養控除等申告書について書きます。 ※...
保険料控除申告書

所得控除額”を把握するための書類の一つに、保険料控除申告書があります。

年末調整のとき、保険料控除申告書で申告するのは以下の4つとなっています。

生命保険料控除(介護保険料控除や個人年金保険料控除を含む)

地震保険料控除(旧長期損害保険料控除に関する経過措置を含む)

社会保険料控除

小規模企業共済掛金控除

なお、”控除証明書”の添付が必要になる保険がありますが、それは、

生命保険料控除

地震保険料控除

小規模企業共済掛金控除

です。

生命保険料控除地震保険料控除小規模企業共済掛金控除は、年末調整の手続き上、原則、控除証明書の添付が必要です。

これらは10月中旬から11月頃までに、各個人あてに、各保険会社から送られてきます。

平成30年から保険料控除証明書がラクになる件についてはこちらの記事をご覧ください。

ネットから印刷した控除証明書を生命保険料控除証明書に添付できる 平成30年(2018年)から
年末調整の時期になるとサラリーマンの方は年末調整書類を提出する必要があります。 生命保険料控除や地震保険料控除を受けるための保険料控除申告書を提出しようと思うと、生命保険や地震保険の控除証明書が届くの待つ必要があります。 結局届くのを待...

保険料控除申告書について詳しくはこちらの記事をご覧ください。

保険料控除申告書とは
年末調整について考えるときに、保険料控除申告書はほとんどの人が出す書類ですので欠かせない存在です。 たとえば住宅ローンなどより生命保険に入っている人の方が圧倒的に多いので、住宅ローン控除申告書などより、より身近な年末調整の書類と言えると思...
配偶者控除等申告書

前述しましたが、扶養控除等申告書は、平成29年分までは”給与所得者の保険料控除申告書 兼 給与所得者の配偶者特別控除申告書”という名前でした。

平成29年の税制改正で、配偶者控除及び配偶者特別控除の控除額の改正があったことから、平成30年からは”給与所得者の扶養控除等申告書”となりました。

一方配偶者については次に3つに区分されます。

源泉控除対象配偶者になる配偶者

配偶者控除になる配偶者

配偶者特別控除になる配偶者

源泉控除対象配偶者になる配偶者は扶養控除申告書配偶者控除になる配偶者、配偶者特別控除になる配偶者は配偶者控除等申告書の提出が必要になります。

ちなみに配偶者控除等申告書は配偶者がいない人は提出する必要はありません。

配偶者控除等申告書について詳しくはこちらの記事をご覧ください

配偶者控除等申告書とは
配偶者控除等申告書。覚えている方は違和感を感じるかもしれません。そう平成29年までは「保険料控除申告書兼配偶者特別控除申告書」と言う書類でした。 平成29年の税制改正によって、以前は年末調整で提出する書類の定番であった”扶養控除申告書”と...
住宅ローン控除申告書

住宅ローン控除申告書住宅ローン控除を受けるために必要な書類な書類です。

住宅ローン控除は、1年目は確定申告が必要で、2年目からは会社が年末調整します。ただしいずれの場合も住宅ローン控除申告書の提出が必要になります。

給与担当者としては、従業員が住宅ローンを組んだ2年目から対応することになります。

住宅ローン控除申告書について詳しくはこちらの記事をご覧ください。

住宅ローン控除申告書(住宅借入金等特別控除申告書)とは?
住宅ローン控除申告書(住宅借入金等特別控除申告書)とは? 住宅ローンを組んだ人はほぼ確実に興味があるはずである住宅ローン控除ですが、1年目は確定申告をしたり、2年目からは年末調整ですんだりといろいろ複雑なようです。 2年目から年末調整で...
今年の収入、控除額を算出し、それを元に所得税額を計算する

所得税=課税所得×所得税率− 税額控除

課税所得=給与所得–給与所得控除

ダブルワークと年末調整 その時給与担当者は?

所得税課税所得所得税率をかけて、そこから税額控除を引いて計算します。

所得税の計算方法について詳しくはこちらの記事をご覧ください。

所得税計算 2019年は? 所得税=課税所得×所得税率− 税額控除
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源泉徴収票、給与支払報告書を作成する

所得税は、給与の金額や、社会保険料、扶養控除生命保険料控除等をもとに計算します。

その所得税の計算の基礎となる給与の金額や、社会保険料、扶養控除生命保険料控除等の金額が明示されているのが源泉徴収票です。

源泉徴収票は4通作成され、税務署に1通、市区町村に2通、そして本人に1通です。

ただし、この市区町村用の2通は、実は給与支払報告書なのです。その給与支払報告書は”個人別明細書”とも呼ばれます。

さらに、もうひとつ給与支払報告書と呼ばれるものがあります。

それは、”総括表”と呼ばれるものです。

給与支払報告書は、各市区町村に支払う住民税の計算するために必要な書類です。

そこで、会社は給与支払報告書を、従業員の住民票がある市区町村ごとにまとめて、各市区町村に送ります。

会社は、各市区町村ごとに、住民票のある従業員の一覧である総括表を作成し、それを表紙として、各市区町村に給与支払報告書として送るのです。

源泉徴収票給与支払報告書について詳しくはこちらの記事をご覧ください。

年末調整! 源泉徴収票とは? 給与支払報告書とは?
年末調整 源泉徴収票 給与支払報告書 前回は所得税の計算方法についてみてみました。 今回は、年末調整に不可欠の源泉徴収票、給与支払報告書についてみてみたいと思います。 源泉徴収票、給与支払報告書は年末調整のゴール まず年末調整で...
源泉徴収票を税務署、従業員に、給与支払報告書を市区町村に提出、配布、送付

源泉徴収票を税務署に提出

源泉徴収票を従業員に配布

給与支払報告書を市区町村などの自治体に送付

繰り返しになりますが、源泉徴収票は4通作成され、税務署に1通、市区町村に2通(給与支払報告書総括表個人別明細書))、そして本人に1通です。

一応確定申告にまつわること

確定申告はその年の基本的に2月16日~3月15日(2月16日および3月15日が土日となる場合には、休み明けの月曜日)

源泉徴収票を提出

副収入に経費があるときは申告できる

さて、派遣・アルバイト・パート先などのダブルワーク(副業)については確定申告なので、「給与担当者としては関係ない」ということでいいのですが、ダブルワーク(副業)を会社が認めたとなると、当然社員が給与担当者に質問してくることもあるでしょう。

その際に「知らない」では不親切です。一応、派遣・アルバイト・パート先などの副ダブルワーク(副業)についての、確定申告についても知っておいたほうがいいでしょう。

おさえておくポイントは上記の3つです。

まとめ

以上、最近の潮流であるダブルワーク(副業)が年末調整にどう影響するかを考えてみました。

基本的には収入の多いメインの勤務先の方で年末調整し、ダブルワーク(副業)の方は確定申告するのですが、給与担当者としてもこのあたりの知識は持っているべきだと思います。

年末調整
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