住民税とは?そしてその計算方法は?
住民税は税金の中では消費税の次、所得税と並んで身近な税金です。私たちが住民税を意識するのはどのようなときでしょうか?
もちろん一番意識するのは納付するときだとは思うのですが、サラリーマンであれば特別徴収で知らないうちに納付されています。個人事業主であってもその住民税の中身がどんなものであるかは意外と意識していないものと思われます。
そんな住民税についてみてみたいと思います。
ちなみに住民税には個人住民税と法人住民税がありますが、今回の内容は個人住民税についてです。
住民税をわかりやすく!
住民税=道府県民税(都民税)部分+市町村民税(特別区民税)部分
住民税=所得割+均等割
住民税=市町村民税(特別区民税)部分+道府県民税(都民税)部分
住民税は、道府県民税(都民税)部分と市町村民税(特別区民税)部分から成り立っています(ここでは特別区民税は市町村民税と、都民税は道府県民税として単純化しています)。
住民税=所得割+均等割
それぞれ道府県民税(都民税)が所得割と均等割で、
市町村民税(特別区民税)も所得割と均等割で、
まとめると
以上をまとめると以下のように表現できます。
住民税の計算方法
住民税=所得割(課税標準額×10%)+均等割(¥5,000)
所得割=課税標準額×市町村民税(6%)+課税標準額×道府県民税(4%)
住民税は所得割と均等割から成り立っています。その計算方法は、
住民税=所得割(課税標準額×10%)+均等割(¥5,000)
所得割=課税標準額×市町村民税(6%)+課税標準額×道府県民税(4%)
課税標準額=所得-所得控除
均等割=市町村民税(¥3,500)+道府県民税(¥1,500)
※税率は標準税率(平成30年8月11日現在)
※均等割は平成26年から平成35年の額
※市町村民税は東京23区においては特別区民税、道府県民税は東京都においては都民税
所得はサラリーマンなどの給与所得者であれば年末調整や場合によっては確定申告することで決定され、所得税の税額計算にも使われているものです。
個人事業主などであれば確定申告することで決定します。
住民税の徴収方法はふたつ
住民税の徴収方法には特別徴収と普通徴収がある
特別徴収とは、サラリーマンなどの給与所得者が勤務している会社が、個人の給与から控除(天引き)して都道府県や市区町村に個人に代わって納付することです。
普通徴収とは、個人事業主やフリーランスの方など給与所得者でない人の徴収方法です。
さらにくわしく!
道府県民税と市町村民税
都道府県民税は都道府県が徴収する分、市町村民税は市町村が徴収する分
都道府県民税は、住民税のうち都道府県が徴収する分で、市町村民税は住民税のうち市町村が徴収する分です。
ただ実際の徴収は都道府県民税、市町村民税ともに市町村が行ないます。
ちなみに東京都の都民税は東京都が徴収、東京23区においては市町村民税が特別区民税です。
住民税はいつの分をいつ払う?
前年の1月1日から12月31日までの分を今年納付
住民税は、前年の1月1日から12月31日までの1年間の所得に対し、1月1日現在の住所地で課税されます。
簡単に言うと特別徴収でも普通徴収でも前年の所得を元に今年納付します(徴収されます)。つまり後払いです。
特別徴収の場合は、前年の年末調整(および場合によっては今年の確定申告)で計算された前年の所得を元に今年の毎月に控除(天引き)されます。
普通徴収の場合は、今年確定申告で計算された前年の所得を元に今年に3ヶ月ごとに納付します。
住民税を払う人、払わない人
住民税がかかる人とかからない人がいる
住民税がかかる人とかからない人がいます。これは所得割と均等割で区別することができます。
状況により均等割も所得割もかからない場合や、所得割のみかからない場合があります。
均等割も所得割もかからない
生活保護法によって生活扶助を受けている
障害者、未成年者、寡婦又は寡夫で前年の合計所得金額が125万円以下(給与所得者の年収に直すと204万4千円未満)
前年の合計所得金額が、市町村の条例で定める金額以下
所得割がかからない
前年の総所得金額等が、35万円以下(年収に直すと100万円)
※控除対象配偶者、扶養親族がいる場合は、基本額×家族数(控除対象配偶者・扶養親族の数+1)+加算額32万円
住民税の徴収目的
教育、福祉、防災、ゴミ処理など
都道府県や市区町村が住民税を徴収する目的は、行政サービスを提供するためです。それは教育であり、また福祉、防災、ゴミ処理などです。
所得税との違い
住民税は所得税より所得控除の金額が少ない
所得税はその時払い、住民税は後払い
住民税が所得税と違う点としては、住民税は所得税より所得控除の金額が少ないです。所得税の方が住民税より累進性が高いということです。
また所得税が今年の所得に基づき今年支払うのに対し、住民税は前年の所得に基づき今年支払う(つまり後払い)という違いもあります。
扶養控除 103万円の壁、130万円の壁。さらに100万円の壁?
住民税は100万円の壁
今回は詳しくは言及しませんが、夫や親等の家族の扶養家族になっている場合に、扶養控除に関連する所得税の150万円の壁、社会保険料の130万円の壁に加えて、住民税の100万円の壁というものもあります。
まとめ
住民税とは?そしてその計算方法は?という切り口で、その徴収方法、納付のタイミング、非課税、徴収目的、所得税との違い、さらにいわゆる「壁」の問題などまとめてみました。
上図を見ていただければわかるとおり、住民税のシステムはわかればそれほどでもないにしても、かなり複雑なものになっています。
累進性を保とうとすると制度が複雑になったり、また縦割り行政の弊害で複雑になっていることも考えられます。
いずれにしても、給与担当者であったり、個人事業主であったり、またサラリーマンであっても身近な税金である住民税がどのように計算されているかを理解することは必要なことなのではないでしょうか。
参考
住民税(じゅうみんぜい)は、日本の税金のうち、道府県民税と市町村民税を合わせていう語。特に、個人に対する道府県民税と市町村民税は、地方税法に基づき市町村(または特別区)が一括して賦課徴収することから、この2つを合わせて住民税と呼ぶ。 (出典:wikipedia) |